
初心者が陥りやすい株の失敗原因5つと失敗しないための対策を解説
「株で失敗する原因はどこにあるの?」 「株の初心者だけど株で失敗したくない」 せっかく始めた株式投資で大きな損失を出すことは避けたいと思っている人は多いはず。株で失敗する原因は状況に応じて多岐に渡りますが、初心者が陥りやすい失敗としては下記の5つが考えられます。
初心者が陥りやすい株の失敗原因
- 高値掴み(高値買い)をする
- 同じ株ばかりを購入してしまう
- まとまったお金を一度に投資してしまう
- イメージ投資をしてしまう
- 信用取引をする
特に、株価が上昇し高値更新を続けているタイミングで株を購入したところ、すぐに株価が下落してしまう高値掴み(高値買い)での失敗は初心者に多いものです。 株で利益を得られるようになるには失敗の原因や失敗しやすい状況を把握して、あらかじめ対策を取ることが欠かせません。 そこでこの記事では、初心者が陥りやすい株での失敗原因や株で失敗しやすい人の特徴、そして対策方法をまとめて解説していきます。
この記事を読むと分かること
- 初心者が陥りやすい株の失敗原因5つ
- 株で失敗しやすい人の5つの特徴
- 株で失敗しないための5つの対策
この記事を最後まで読めば株で失敗する原因や失敗しやすい人の特徴が把握でき、失敗しないよう対策が取れるようになります。 初心者でもしっかりと成果を得るために、ぜひ参考にしてみてください。

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株を始めるときに、誰もが株で失敗したくないと思っているはずです。では、どのようなことが原因で失敗してしまうのでしょうか? 初心者が陥りやすい失敗としては、以下の5つの原因が考えられます。
初心者が陥りやすい株の失敗原因
- 高値掴み(高値買い)をする
- 同じ株ばかりを購入してしまう
- まとまったお金を一度に投資してしまう
- イメージ投資をしてしまう
- 信用取引をする
株で失敗をしないためにも、どのようなことが失敗の原因となるのか見てみましょう。
1-1.高値掴みをしてしまう
高値掴み(高値買い)とは、株価が急上昇する、連日の高値更新が続くなど、株価が頂点に達したタイミングで株を購入し、その後、株価が急落することです。 高値掴みをするタイミングでは株価が上昇しているので、投資家は「もっと上昇するはず」という期待を持ちます。しかし、ある程度まで上昇すると
- 上昇した株価で株を購入する投資家がいなくなる
- 安値で株を購入していた投資家が利益確定をする
などの要因が重なり、株価が急落し始め損失を出してしまうのです。 特に、株の初心者は株価が上昇し始めたタイミングで購入の決断ができないことが多いです。高値更新が続いたり一定期間好調の状態をキープできたりと、株価の経過を見てから購入を判断する傾向があります。 その場合、株を購入する頃には高騰のピークは既に過ぎてしまい、すぐに下落へと転じることもあります。その結果、買値よりも売値が下がってしまい損失が発生してしまうことも。 とはいえ、企業が成長して株価が伸びるタイミングでは、新高値(過去最高の株価)を更新していくことが多いため、高値の株を買ってはいけないということではありません。実際、高値で買っていく投資は「順張り投資」と呼ばれる一般的な投資法のひとつです。 一方、高値掴みのリスクもあるので、高値で買うときには「良好な決算の数値を伴っているか」など自分なりの目安でチェックを行ったり、もしも株価が下がった場合にどこで損切りをして売るかというリスク管理を適切に行ったりすることが肝要です。
高値掴みの対策方法はこちらをチェック
高値掴みをしないためには、投資スタンスを確立することが大切です。ぜひ、以下の記事を参考に自分なりの目安を設定してみましょう。
1-2.同じ株ばかりを購入してしまう
初心者が陥りがちな失敗には、同じ銘柄の株ばかり購入してしまうことが挙げられます。投資初心者が同じ株ばかりを購入してしまうときは、次の2つのパターンがあります。
①集中投資
1つ目は有名銘柄や人気銘柄なら安心だろうと思い込み、1つの銘柄に集中投資をしてしまうパターンです。1つの銘柄に集中して投資をしてしまうと、株価の急落が起きたときに損失が大きくなります。 例えば、買値500円の株を1,000株保有していたときに、不祥事や災害等で株価が300円に急落したとします。50万円 - 30万円 = 20万円となり、20万円もの損失が出ます。他の銘柄にも分散投資をしていれば、その間に逆に株価が上がった銘柄があって損失をカバーできたかもしれませんが、集中投資しているとこのように自分の資産の変動が大きくなりがちです。
②ナンピン買いをする
2つ目は株価が上昇すると思い込み、ナンピン買いをしてしまうことです。ナンピン買いとは、保有している株価が下がったときに同じ銘柄の株を買い足すことで平均購入単価を下げることです。例えば、5,000円の株を100株保有していた場合、4,000円に株価が下がったところで100株買い足すと平均購入単価は4,500円となります。 ナンピン買いをすれば1株あたり安く手に入れたことになるため、株価が上昇していけば利益が大きくなります。しかし、ナンピン買いをした後も株価が下落を続けると、損失がどんどん膨らみます。その結果、売り時を逃した同銘柄の株を多く抱え込むことになります。 このように、同じ銘柄の株ばかりを保有することは、株価が下落をした場合に損失が膨らむ原因となります。
1-3.まとまったお金を一度に投資してしまう
株を購入するときに一度にまとまったお金を使い投資してしまうと、失敗の原因となります。確かに株価が高騰した場合には目先の利益は得やすくなりますが、株が下落したときに打つ術がありません。株に充てられる資金が残っている場合は
- 他の株を購入して損失額を相殺する
- 同じ銘柄の株を買い足して平均購入単価を下げる
などの対策を取れる可能性があります。株に充てられる資金の余力を残しておかないと、株での損失をカバーする手段が断たれてしまいます。 その結果、株価の値動きに身を委ねるしかなく、株の失敗へとつながってしまうのです。
1-4.イメージ投資をしてしまう
株式投資は、投資先企業の業績や事業計画などが株価に大きく反映されます。投資家は「この企業は業績好調で将来性がある」「この企業の事業内容に興味があるから出資したい」など、投資先企業の実態や状況を把握して投資先を決めているからです。 しかし、株の初心者の中には投資先企業を何となくのイメージで選んでしまうことがあります。例えば、
- 名前を知っている企業
- 有名で人気がありそう
- 何となく事業内容が凄そう
- 投資家がおすすめだと言っていた
など自分の中にあるイメージや曖昧な情報のみで株を購入してしまうのです。その結果、経営状況がよくなかったり思っていた事業内容とは異なり将来性がなかったりなどイメージとかけ離れた部分が出てきて、利益が出ないことがあります。 企業の実態を詳しく把握せずイメージのみで投資をしてしまうことも、失敗の原因となります。
対策方法はこちらをチェック
イメージ投資を避けるには、投資先の企業情報をしっかりと把握し検討する必要があります。投資先の情報収集の方法は、以下を参考にしてみてください。
1-5.信用取引をしてしまう
株の取引方法には、現物取引と信用取引の2種類があります。
現物取引 | 持っている資金(口座内の預り金)の範囲内で取引ができる |
---|---|
信用取引 | 保有している株の評価額と口座内の預り金総額の約3倍までのレバレッジ取引ができる |
通常の株の売買は現物取引と言われるもので、投資家が所有している資金の範囲内を行います。一方で、信用取引とは、証券会社にお金や株を借りて行うレバレッジ取引のことです。 保有している株の評価額と口座内の預り金を合計した額の約3倍まで借りることができます。例えば、投資家が総額300万円の委託保証金(信用取引の担保となる資金)を持っていた場合、3倍の約900万円分の取引ができます。 信用取引をすると少ない資金でも大きな投資金額が動かせるようになるので、株価が上昇すれば利益を得やすくなります。しかし、株価が下落したときには大きな損失を背負うリスクがあります。 例えば、300万円の委託保証金で3倍となる900万円分の株を購入したとしましょう。保有している株が急落し、評価額が500万円になったとします。900万円 - 500万円 = 400万円の評価損で、委託保証金を100万円下回ってしまいます。 つまり、口座内の預り金を失うだけでなく、さらに負債を背負う可能性があるのです。信用取引はきちんとリスク管理をすれば効率よく資産を増やす手段にもなりますが、株に慣れないうちから信用取引をしてしまうと株価が下落したときに、想定以上の損失を背負い失敗してしまうことがあります。
2.株で失敗しやすい人の5つの特徴

初心者が株で失敗する原因が把握できたところで、株で失敗しやすい人にはどのような特徴があるのか気になるのではないでしょうか? 株で失敗しやすい人の、代表的な特徴を5つ挙げてみました。
株で失敗しやすい人の5つの特徴
- セミナーや本の内容を鵜呑みにしてしまう
- 資産管理ができていない
- リターンばかりに目がいきリスク管理ができていない
- 株で損をする仕組みが把握できていない
- 損切りができない
株で失敗しやすい人の特徴をまとめたチェックリストも用意したので、ぜひチェックしてみてください。
2-1.セミナーや本の内容を鵜呑みにしてしまう
株式投資を始めたばかりのころは、自分で考え判断することが難しい場合があります。「本当にこれで合っているのか」という不安もあり、ついついセミナー講師の意見や書籍の内容に頼ってしまうこともあるでしょう。 自分より知見のある人の情報を参考にするのはいいですが、鵜呑みにしてしまうと臨機応変な対応ができません。例えば、「この銘柄はこれから上昇する可能性が高いですよ」と言われ、この言葉を信じて株を購入したとしましょう。 上昇しているうちは良いですが、もしも予期せぬ下落や株式の変動が起こったときには、どうしたらいいか分からなくなってしまいます。その結果、売り時を逃したり大損をしたりと株の失敗へとつながるのです。 他人の意見を鵜呑みにするだけで、自分の判断で投資をしていないと、失敗や成功の原因が分からずいつまでも成長しません。自分軸で株式投資ができていない人は、株式投資で失敗しやすい人の特徴だと言えます。
株式投資で失敗しやすい人の特徴【チェックリスト】
- 株式投資セミナーや書籍の情報で投資先を決めてしまう
- 株に関する情報を信じ投資をしたものの万が一株価が下落した場合の対応方法が分からない
- 自分で投資先企業や銘柄を決められない
2-2.資産管理ができていない
資産管理ができていないと、株での損失をカバーできず失敗してしまうことがあります。
- 所有している資産の何%を株に使っていいのか把握できていない
- 株に使える資産を全額投資してしまっている
- 資産の多くを株に回してしまった
などの場合は、株価が上昇し利益を得られれば問題がないでしょう。しかし、株価が下落した場合は1回の失敗をカバーできる資金的な余力がなく、悪循環に陥ることも。資産管理をして現金を残していれば、対処ができたかもしれませんが、資産の大部分を深く考えずに投資してしまうと、後からの対処が難しくなります。 株は値動きで資産が大きく変動するからこそ、基本的な資産管理ができていない人は失敗しやすい傾向があります。 まずは少額から投資を始めてみる、たとえ株が暴落しても大丈夫なように現金と株の割合を考慮するなど、資産管理を適切に行いましょう。
株式投資で失敗しやすい人の特徴【チェックリスト】
- 資産のどれくらいを株式投資しているのか把握できていない
- 追加で株式投資ができる余力を残していない
- 投資している株価が下落した場合、生活に支障が出る可能性がある
2-3.リターンばかりに目がいきリスク管理ができていない
株式投資を始めるときに「株で儲けたい」「株で大きな利益を作りたい」と考えている人は多いでしょう。投資のことを考えるときは、どうしても利益に目が向きがちですが、それ以上に目を向けなければならないのがリスク管理です。 リスク管理をせずにリターンだけを考えていると「1-2.同じ株ばかりを購入してしまう」「1-3.まとまったお金を一度に投資してしまう」などが起こりやすくなります。株価が急上昇している銘柄にまとまった投資をしてしまうのは、初心者に多いリスクが高い投資だと言えるでしょう。
- 株価が下落したときの対策
- 損切りのタイミング
- 損失が出たときにカバーする方法
などを決めて、リスク管理をしておかないと、株価が下落したときに大きな損失を抱えてしまいます。万が一に備えたリスク管理ができていない人も、失敗しやすい特徴を持っていると言えるでしょう。
株式投資で失敗しやすい人の特徴【チェックリスト】
- 株で得られる利益に目が留まり、リスクを把握できていない
- 株価が下落した場合の対処法が決まっていない
- 株で損はしないだろうと思い込んでいる
2-4.株で損をする仕組みが把握できていない
そもそもどのようなときに株で損失が出るのか理解できていないと、適切な対策が取れずに株で失敗しやすくなります。 株で損をする仕組みとしては、次の2つが挙げられます。
①株価が下落したタイミングで売却を確定させた場合
株の仕組みとして、買値よりも売値が低いと損失が確定します。例えば、500円で買った株が下落し300円になったタイミングで売却をすれば200円の損失が確定します。 言い換えれば、株価が下落しても売却をしなければ損失は確定しないのです。とは言え、株価が下落し評価損が発生している株を保有し続けるのは、得策とは言えません。売り時は難しいと言われていますが、株の仕組みを把握してどのタイミングで手放すのかある程度検討しておく必要があります。
②投資先企業が上場廃止となった場合
投資先企業が上場廃止になると、該当株の売買ができなくなります。証券会社での取り扱いもできなくなるため、換金できなくなる可能性があります。 長期保有をする場合でも、定期的に投資先企業の経営状況を確認しておかないと、ある日突然保有している株の価値が大きく下落してしまうこともあります。
株式投資で失敗しやすい人の特徴【チェックリスト】
- 株で損をする原因や仕組みを理解できていない
- 株で損をする仕組みを知ったうえでリスクヘッジをしていない
- なぜ株で失敗をしたのか原因が分からない
2-5.損切りができない
損切りとは、保有している株の株価が下落し損失を抱えている状態で株を売却することです。損切りは損失が確定する行為なので、なかなか踏み出せない人が多いです。 特に初心者は「株価が今後どう動くか分からない」「もう少し様子を見てみよう」と期待をしているうちに、どんどん株価が下落し損失が膨らんでしまうことがあります。 適切なタイミングで損切りができれば、損失を許容範囲に抑えることもできますし、株を売って戻ってきた現金を他の銘柄に投資して損失を取り返すこともできます。 株を買ったときには知らなかった悪いニュースが出てきたなど、株を購入したときと状況が変わったり、株価が戻る見込みが薄いのに、損切りをしないで株を保有し続けてしまう人は、株で失敗しやすい傾向があります。
株式投資で失敗しやすい人の特徴【チェックリスト】
- 適切なタイミングで損切りができない
- 株価が下落しても「きっと上昇するに違いない」と考えてしまう
- 損切りをしないで損失のある株を長期保有してしまう
3.株で失敗しないための5つの対策

自分自身が株で失敗しやすいかもしれないと感じても、焦ることはありません。株で失敗しないための対策を把握していれば、事前に戦略を練ることができます。 株で失敗しないための対策としては、以下の5つがあります。
株で失敗しやすい人の5つの特徴
- 自分の投資ルールを明確にする
- 適切なタイミングで損切りをする
- 投資先企業の情報収集をする
- リスク分散をする
- 初心者のうちは信用取引を避ける
具体的な対策方法をご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
3-1.自分の投資ルールを明確にする
投資家自身が明確な判断基準を持っていないと、判断を迫られたときに他人の意見に流されたりどうしていいのか分からないと迷ったりして損失が膨らんでしまう可能性があります。 そこで、株に投資する時は自分なりのルールを決めておきましょう。主に決めておきたいのは、以下の項目です。
投資の目的 | ・どのような企業に投資をするのか ・投資でどれくらいの利益を得たいのか |
---|---|
資金管理 | ・投資に使う資金全体の上限を設ける(万が一のときに備えて余力を残しておく) ・1回の取引に使う資金の上限を設ける |
保有期間 | ・短期保有、中長期保有のどちらかあらかじめ決めておく |
リスク許容度 | ・◯%損失が出たら売却するなどリスクヘッジをするための基準を決める |
投資の目的では、どのような企業に投資をするのか、自分なりの基準を設けておきましょう。書籍やセミナーなどの情報を参考にしてもいいですが、最終的に自分で判断できることが大切です。 資金管理では株に使える資金をあらかじめ決めておくことで、損失が出たときに身動きが取れなくなることを防げます。 また、株価が下落したときの売却基準など、どの程度のリスクまで受け入れるのかを決めておけば、大きな損失が出る前に手が打てるようになるでしょう。 株式投資をするうえで、売り時や買い時を決めるのは投資家自身です。その判断を納得のいく形でできるよう、あらかじめルールを設けて取引をしてみてください。
3-2.適切なタイミングで損切りをする
「2-5.損切りができない」でも述べたように損失のある株を保有し続けていても、株価上昇が見込めない限りは損失が膨らみかねません。 確かに損失が確定するのは望ましい結果ではありませんが、できる限り少ない損失で抑えるという意味で、躊躇なく損切りができるようになりましょう。 適切な損切りのタイミングはケースによって大きく異なりますが、株の初心者が抑えていきたいポイントは自分で決めた損切りのタイミングを守り実行することです。 いざ損切りをしなければならない場面が来ると「今後上昇するかもしれない」「長い目で見れば利益が確保できるかもしれない」という期待が生まれます。 このような気持ちに左右されないためにも
- ◯%の損失が出たら損切りをする
- ◯円を下回ったら損切りをする
など、自分なりのタイミングを決めて実行しましょう。このタイミングを必ず守るようにすれば、知らぬ間に損失が大きくなってしまうことはありません。
3-3.投資先企業の情報収集をする
投資初心者が最初に悩むのが、投資する銘柄を決めることです。イメージで選んだりセミナー情報を鵜呑みにしたりすると、思ったような利益が出せないことが多々あります。 株で失敗しないためにも、投資先企業の情報収集をして自分が納得のいく銘柄を購入できるようにしましょう。投資先企業の情報収集をするときには
- 事業や売上拡大の余地があるか
- 同業他社と比較したときに売上や会社の規模は期待できるものか
- 投資したいと思える事業内容や株主優待などがあるか
というポイントをチェックしてみてください。 投資先を選んで株を購入しても、情報収集は終わりではありません。ここで投資先企業の情報収集をやめてしまうと、株の失敗へとつながります。 投資先企業が倒産すると株式の価値はなくなってしまいますし、投資先企業の業績が悪化すると株価が下落してしまう可能性があるからです。投資先企業の株を保有している間は、利益を獲得し損失を防ぐためにも、以下のような情報を把握しておきましょう。
売上高・利益 | 昨年や競合他社と比べて伸びているか |
---|---|
負債 | 昨年と比べて増えていないか・負債の原因は明確になっているか |
業績 | 好調や不調の原因は明確になっているか |
今後の経営戦略 | 注力事業は何か・株価に影響を及ぼすような取り組みがあるか |
企業の評価 | 利益の伸び率以上に、大幅に株価が上がりすぎていないか |
このような情報は決算短信を見ると、記載されています。決算短信とは3ヶ月に1回企業の業績や企業計画を公表している書類です。 決算短信は、その企業のコーポレートサイトに行くとダウンロードできるので、自分が保有している銘柄の決算短信は確認するようにしましょう。
3-4.リスク分散をする
株で失敗しないためには、少しでもリスクを分散させる戦略を立てることが欠かせません。リスク分散は、主に銘柄の分散と投資タイミングの分散の2つが柱となります。
①銘柄の分散
1つの銘柄に集中投資をしてしまうと、株価が下落したときの損失をカバーすることができません。あらかじめ数種類の銘柄に資産を分散させて投資することで、個別銘柄の下落リスクをカバーできます。 例えば、2つの銘柄に投資したと想定しA銘柄が20%上昇しB銘柄が20%下落した場合、B銘柄の損失をA銘柄の利益でカバーすることが可能です。このように銘柄を分散することで、全体のリスクを抑えながら投資できます。
②投資タイミングの分散
投資タイミングの分散とは、株をまとめて購入するのではなく、時期を少しずつずらしながら購入する方法です。購入時期を変えることで、購入時の価格変動リスクを分散することができます。 株に慣れてきたら、通貨の分散や商品の分散も検討してみるといいでしょう。1つの銘柄が下落したときに大きな損失を受けないように工夫してみてください。
3-5.初心者のうちは信用取引を避ける
「1-5.信用取引をしてしまう」でも解説したように、信用取引は口座に預けている金額以上の取引ができます。 株価が急上昇した場合は利益が大きくなりますが、反対に株価が急落した場合には損失が膨らみます。そのため、信用取引をするにあたっては、損失が大きくならないよう見極める知識と経験がなければなりません。 基本的に信用取引は、現物取引や株の仕組みが分かり、利益が出せるようになった次のステップで利用すべきサービスです。取り返しのつかない失敗をしないためにも初心者のうちは避けて、まずは現物取引で株の仕組みや売買を身につけましょう。
4.株の失敗にまつわるQ&A

最後に、万が一株で失敗したときに気になるQ&Aをまとめてみました。不安や疑問を払拭するためにも、ぜひ参考にしてみてください。
4-1.株で失敗すると借金ができますか?
現物取引の株で失敗しても、借金はできません。株は株価の上下によって資産が変動しますが、マイナスになることはありません。万が一、投資先企業が倒産したとしても株価は0円以下にはならないので、借金ができることはないのです。 ただし、信用取引をしていた場合は異なります。信用取引は、証券会社から株券または資金を借りて委託保証金以上の金額で取引をしています。大きな損失が出るとマイナスとなり、投資した金額以上の損失を被る可能性があります。
4-2.株の失敗で自己破産することはありますか?
現物取引の株で失敗しても、自己破産することはありません。しかし、信用取引をして自己破産する可能性は、ゼロではありません。先ほども解説したように、信用取引の場合は委託保証金以上の損失を被る可能性があるからです。 損失金額が大きくなってしまうと、自己破産する可能性は考えられます。ただし、株式投資が理由で自己破産をする場合は免責不許可事由に該当する場合があり、必ずしも自己破産ができるとは限りません。
4-3.株で失敗をすると税金はどうなりますか?
年間の株式売買の損益を合計し売却損が出た場合は、株式売却に対する税金はかかりません。 上場株式等の売却による売却損を確定申告しておくと、翌年以降3年間繰り越すことが可能です。繰り越した売却損は翌年以降の売却益と損益通算ができるので、翌年以降に売却益が発生した場合に節税につながるかもしれません。 売却損が出て確定申告をした場合は、翌年以降も連続して確定申告をしないと3年間繰り越すことができないので注意してください。
まとめ
いかがでしたか?株で失敗する原因や株で失敗しやすい人の特徴が把握でき、失敗しないような対策ができるようになったかと思います。 最後にこの記事の内容をまとめてみると
初心者が株で失敗しやすい原因は次の5つ
- 株価が上昇している理由や根拠を理解しないまま高値掴みをしてしまう
- 同じ株ばかりを購入してしまう
- まとまったお金を一度に投資してしまう
- 有名な銘柄や人気銘柄などにイメージ投資をしてしまう
- 証券会社にお金や株を借りることになる信用取引をしてしまう
株で失敗しやすい人の特徴は次の5つ
- セミナーや本の内容を鵜呑みにしてしまい自分で判断をしない
- 資産管理ができていない
- リターンばかりに目が向き、リスク管理ができていない
- 株で損をする仕組みが理解できていない
- 損失が膨らまないような損切りができない
株で失敗しないための対策は次の5つ
- 投資の目的や売り時など自分のルールを明確にする
- 適切なタイミングで損切りをする
- 投資先企業の情報収集をして損益を逃さないようにする
- リスク分散をする
- 初心者のうちは信用取引を避ける
この記事をもとに、株で失敗しやすい原因が把握でき株で失敗しないよう対策が取れるようになることを願っています。

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