
株の売り時を見極めるには?タイミングと失敗しないポイントを紹介
「株の売り時のタイミングはいつ?」 「株の売り時を判断するのが難しい」 株を保有していると、どのタイミングで手放せばいいのか迷いますよね。 実は、株の売り時は株の買い時を見極めるよりも難しいと言われています。適切なタイミングで株を売却できるスキルこそが、投資家の腕の見せ所だと言っても過言ではありません。 株の売り時を見極めるタイミングとしては、以下の4つのポイントがあります。
株の売り時を見極める4つのタイミング
- 目標株価に達したとき
- 投資先企業の業績悪化や不祥事が起こったとき
- 損切りをするとき
- 為替変動があるとき
単に、これらタイミングを知っていれば実践できるものではなく、売り時のタイミングを把握するためのコツを掴んでおくことも大切です。 そこで、この記事では、株の売り時を見極める4つのタイミングや短期保有と長期保有での売り時の違い、売り時を見失わないためのチェックポイントをまとめて解説していきます。
この記事を読むと分かること
- 株の売り時を見極める4つのポイント
- 短期保有と長期保有の売り時の違い
- 株は10%以内の利益で売るべき?
- 売り時を見失わないための4つのチェックポイント
この記事を最後まで読めば、株の売り時が把握でき投資に活用できるようになるはずです。難しいと言われている売り時ですがコツやタイミングを把握することが重要なので、ぜひ参考にしてみてください。

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株の売り時は買い時よりも難しく、どうしたらいいのか迷っている人は多いかと思います。株の売り時を見極めるタイミングとしては、下記の4つがあります。
- 目標株価に達したとき
- 投資先企業の業績悪化や不祥事が起こったとき
- 損切りをするとき
- 為替変動があるとき
なぜ、株の売り時のポイントとなるのか、ぜひチェックしてみてください。
1-1.目標株価に達したとき
株式投資の基本は、株価が上昇したときに売ることです。株価が上昇し目標株価に達したタイミングは、株の売り時の1つの目安です。目標株価には、2つの種類があります。
レポート掲載の目標株価 | アナリストなど知見のある人が作成するレポートに掲載されている将来の目標株価 |
---|---|
投資家が設定する目標株価 | 株を購入したときに自分自身で設定する目標株価 |
1つ目のレポートに掲載されている目標株価は、証券会社に所属するアナリストが銘柄ごとに算出している予想株価のことです。顧客向けに発行されるレポート内に記載されており、投資判断の材料として活用できます。 レポート記載の目標株価を目安とするときに注意したいのは、目標株価にアナリストの主観や考え方が含まれていることです。アナリストによって計算手法等も異なるため、必ずしも正しいとは限りません。自分で考えずに鵜呑みにしてしまうと、なかなか目標株価に達せず売り時を逃すことにつながります。 そこで大切なのは、2つ目の自分で設定する目標株価です。アナリストの意見や市場動向を踏まえて、自分自身で目標株価を設定します。そして、その株価に達したときに売ると決めておけば、売り時を逃すことがありません。
【初心者に多いミス:目標株価に達しても売らない】 せっかく目標株価を設定したのにも関わらず、いざ目標株価に達すると「もっと高騰するかもしれない」と考えて、売らない決定をしてしまうことがあります。 例えば、700円の株が目標株価の1,000円に達したとします。このときに「もっと高騰するかもしれない」と、目標株価を1,500円に訂正してしまいました。 案の定、この後株価は下がり900円となり、当初の目標株価であった1,000円に達することがありませんでした。このようなケースは初心者に多く、自分で設定した目標株価に達したタイミングで売却することが大切です。 もしくは、目標株価を1,500円に訂正するのであれば、同時に「いくらまで下がったら売る」という、新しい売却の基準も決めておくのがおすすめです。たとえば、「目標株価を1,500円に訂正するけれど、900円まで下がったら売る」という形で目標を訂正しておけば、株価が900円まで下がって売ることになっても、700円で買っているので利益が得られます。
1-2.投資先企業の業績悪化や不祥事が起こったとき
投資先企業の業績悪化や不祥事は、株を売る一つのタイミングだと言われています。投資先の業績が悪化すると今後の動向や経営に希望が持てないと判断し、株を手放す人が増えます。 とくに目に見える業績悪化は株を売りに出す人が多くなり株価の下落スピードが速いため、売り時を誤ると大きな損失を抱えることになるでしょう。 投資先企業の売上や利益、資産や負債などの財政状況はファンダメンタルズとも呼ばれており、普段からファンダメンタルズを把握し売り時を逃さないことが大切です。 また、不祥事が発覚した場合は ・株主としての企業への期待感や今後の業績への期待が薄れる ・倒産のリスク回避 のために、株価が下落する傾向があります。とくに不祥事発覚直後はパニック売りと呼ばれる投げ売りにより株価が下落しやすいです。 投資企業にマイナスとなる大きな変化が起こった場合には、株の売り時だと言えるでしょう。
【初心者に多いミス:投資先企業の情報を知らない】 投資先企業の経済状況や不祥事などの情報を知らないと、売り時を逃してしまいます。「急に株価が下がり始めたけれど何でだろう」と思った頃には既に遅く、値下がりをしている状態で損をするケースがあります。 投資先企業の経営状況は投資家にとって、株価を左右する重要なポイントです。常にファンダメンタルズを把握し売り時を逃さないようにしましょう。
1-3.損切りをするとき
保有株によっては株価が上昇するどころか、下落し始めることがあります。そのような場合は少しでも早く損切りをして、損失が膨らまないようにすることが重要です。 損切りのタイミングは状況に応じて大きく異なりますが、主なタイミングは次の3つです。
①自分で設定した損切りのラインに達したとき
損切りはある程度自分自身でラインを決めておかないと、なかなか実行できません。 株価が下がっても、「一時的に下落しただけで上昇するはず」「ここで売るのはもったいない」など、さまざまな見方ができるので、結果的に損失が大きく膨らんでからしか売ることができなくなってしまうのです。 そこで、あらかじめ自分で損切りをするラインを決めておき、達したときには必ず損切りをする方法があります。例えば、買値から10%下落したら売るなど具体的な数値を決めて、そこに達した時点で売却をします。 損切りのラインを決めるときには、損しても良い金額と投資金額、購入する銘柄の株価の変動幅も考慮すると良いでしょう。 たとえば、「このくらいなら損しても良いかな」という金額が2万円だったとします。この場合、投資金額が20万円であれば、損切りラインは10%ということになります。しかし、普段から値動きの大きな銘柄であれば、日頃のちょっとした株価のぶれの範囲でも10%下がって、特段ネガティブな事情もないのに売らなければいけなくなるかもしれません。 そのような場合には、たとえば投資金額を10万円に抑えておけば、損切りのラインは20%になるので、すぐに損切りのラインに達してしまうという状況を避けることができます。
②下降トレンドに入ったとき
トレンドとは、株価が上昇、下降、横ばいなのか大体の動きを示すものです。下降トレンドに入ったときは、損切りをするタイミングだと言われています。下降トレンドとは、株価チャート上で3点以上の高値のタイミングを線で結ぶと、右肩下がりになっている状態を指します。

株価が反発しても、すぐに高値が抑えられて、ずるずると下落が続く状態です。この状態で株を保有していても損失が大きくなる可能性があるため、下降トレンドに入ったときは損切りを検討するタイミングだと言えます。
③直近の安値を下回った
株価が直近の安値を下回ったときは、損切りをするタイミングです。安値が更新されたということは、その株を比較的安い価格で買っていた人ですら損をしている状況だということです。 このように多くの人が損をしているタイミングでは、今後、損切りをする人が増えて、さらに株価が大きく下落する可能性があります。このまま保有していても損失が膨らむ可能性があるため、損失を検討するタイミングだと言えるでしょう。 株の売り時は、株価が上昇をしたときばかりではありません。大きな損をしないためにも、損切りのタイミングに注意しましょう。
【初心者に多いミス:損切りができない】 損切りは損失が確定する行為なので、なかなか踏み出せない人が多いのも事実です。とくに初心者は「株価はどう動くか分からない」「もう少し様子を見てみよう」と期待をしているうちに、損失が膨らんでしまうことがあります。 適切なタイミングで損切りができれば、他の株に投資して損失をカバーできるかもしれません。実際、投資のプロでも全ての取引で利益を出しているわけではありません。1つの銘柄にこだわることは機会損失にもつながるため、損切りが必要な場面があることを把握しておきましょう。
1-4.為替変動があるとき
外国と取引をしている企業は、為替相場の変動が株価に影響を与える可能性があります。 例えば、今まで1ドル=100円だったのが1ドル=80円になったとします。輸出会社の場合は販売価格が安くなるので、業績が悪化し株価が下がると考えられます。 逆に輸入会社の場合は仕入れが安くできるようになるため利益が得やすくなり、株価が上がる可能性があります。

このように、外国と取引をしている企業の場合は、為替相場を確認しながら株価を下がるタイミングを見極めて、売り時を考えることも重要です。
【初心者に多いミス:為替変動と株価の関係性を把握していない】 為替変動と株価の関係性を把握していないと、株を売るタイミングを逃してしまいます。「株価が下落したけれど原因が分からない」となると、適切な売り時を見極められず損失が大きくなるかもしれません。 急激な円高や円安は株価下落の原因となることを理解し、投資先企業への影響を把握しておきましょう。
2.長期保有と短期保有では株を売るタイミングが異なる

株の売り時は、短期保有と長期保有によっても異なります。
短期保有 | 長期保有 | |
---|---|---|
保有期間の目安 | 1日~半年程度 ※1 | 1年以上 ※1 |
売り時の例 | ・株価が上昇し始めたら売却する ・利益の確保を最優先とすることも視野に入れる | ・上昇トレンドの終了を狙い売却する ・大きな利益につながるよう1日1日の小さな変動を重視しない |
※1:明確な基準はありません 株の売り時を逃さないためにも、具体的にどのような部分が異なるのかチェックしてみてください。
2-1.長期保有は日々の値動きだけでは売らない
長期保有は1年以上の長期に渡り、同じ銘柄の株を保有し続けることを指します。すぐに利益を確保するというよりは、利幅を伸ばして大きな利益につながるよう売買するところが特徴です。 そのため、日々の小さな値動きで売却を検討するのではなく、株価が上がり切った上昇トレンドの終了後を狙い売却するのがポイントです。 上昇トレンドとは直近の高値を切り上げて上昇している状態で、チャートが数週間や数ヶ月といった期間で右肩上がりとなります。上昇トレンドの終了は右肩上がりだったチャートが下がり始めたときなどが当てはまるため、見極めるようにしましょう。 ただし、長期保有の場合は「1-2.投資先企業の業績悪化や不祥事が起こったとき」で解説したような業績悪化や不祥事が起こると、一気に株価が下落する可能性があります。常に投資先企業の状態を見ながら保有していくことも欠かせません。
目安となる保有期間 | 1年以上 |
---|---|
目安となる売り時 | 株価が上がり切った上昇トレンドの終了後を狙い売却する |
2-2.短期保有は上昇途中でも早めに決断する
短期保有は短い間に売買を行うことで、すぐに損益が確定するところが特徴です。短期保有においては、短期間で利益を確保することが最優先となります。 そのため、株価が上昇途中であっても早めに売却し、利益を確保することも視野に入ります。株価が上昇し始めると「まだまだ上がるかもしれない」と期待をしたくなりますが、短期保有の場合は株価の上昇を待ち続けることは得策ではありません。 上昇し始めて利益が確実に確保できるタイミングで売却しないと、損失が生まれては意味がありません。値動きの激しい銘柄は2~3日で大きく下落してしまうこともあり得るため、利益確保を優先して売り時のタイミングを見極めましょう。
目安となる保有期間 | 1日~半年程度 |
---|---|
目安となる売り時 | 株価が上昇途中であっても早めに売却し、利益を確保する |
3.株は10%以内の利益で売るべき?

株の売り時のタイミングとして、例えば10%以内の評価益で売却するという方法も考えられます。結論から言うと、短期保有と初心者の場合はこのような方法を実践してみるのも一つの手です。 初心者は売り時を見極めるのが難しいため一つの目安として「10%以内の評価益で売却」と決めておくと、売り時を逃しにくくなります。この方法なら少なからず利益が確保されているタイミングで売却できるため、損失が生まれません。 短期保有の場合は、先ほども解説したように利益の確保が最優先です。大きな値上がりを目指すのではなく、小さな利益を得て売買を繰り返すことが大切でしょう。 一方で、株に慣れている場合は、10%以内の評価益で売却をするというのは機会損失につながるという意見もあります。小さな利益での売買を繰り返していると、大きな利益を掴みにくくなります。もしかしたら、10%以内で売らなくても20%や30%まで成長していたかもしれません。 株の経験や知識があり自分で売り時を見極められるようになれば、10%のルールに縛られることなく独自のルールを設けるといいでしょう。
4.株の売り時を見失わないためにチェックしたい4つのポイント

株の売り時を見失わないためには、下記の4つのポイントを抑えておくことが大切です。
株の売り時を見失わないためにチェックしたい4つのポイント
- 売り時のマイルールを設定する
- 株価下落のサインとなるチャートパターンを覚える
- 投資期間を明確にする
- 投資している企業の状況を把握する
具体的にどのようなことを知っておく必要があるのか、1つずつチェックしてみましょう。
4-1.売り時のマイルールを設定する
株の売り時に迷わないために、売り時のマイルールを設定しておきましょう。例えば以下のように、自分なりの目安を明確にした上で投資をします。
- ◯%利益が出たら売る
- ◯%損をしたら損切りする
- 投資先企業の業績が昨年より◯%悪化したら売る
これらの目安があれば売り時に悩んだときに、毎回一定のルールで判断できるようになるでしょう。株の売り時を最終的に決めるのは、株を保有している株主自身です。 周囲の声や期待に惑わされるとここぞという売り時を逃してしまうため、納得できる売買をするためにも株の購入時にマイルールを決めてみてください。 また、マイルールに沿って売り時を決めることで、もし上手くいかないときにはルールを修正・改善することができます。これは投資の上達に繋がります。一方で、毎回ルールがない状態で決めていると、上手くいかないときに、何を改善すればよいか、いつまでも分かりません。自分なりのルールを決めて、投資に取り組むことは、上達の第一歩です。
4-2.株価下落のサインとなるチャートパターンを覚える
チャートとは、1ヶ月や半年など一定期間の株価をグラフ化して見やすくしたものです。チャートを見ることで、売り時の目安が把握できることがあります。ここでは、代表的な売り時のチャートをご紹介します。
①デッドクロス

短期の移動平均線(一定期間の株価の動きを平均化した線)が、中期の移動平均線を上から下へ突き抜けた部分をデッドクロスと呼びます。 これから株価が下落傾向になるかもしれないサインで、売り時のタイミングを計る指標だと言われています。 デッドクロスはデータの算出期間により表れやすくなってしまうので、5日線と25日線、13週線と26週線の組み合わせが多く利用されています。
②三尊天井

三尊天井は、上昇トレンドの終わりに出現しやすいチャートパターンです。チャートが3つの山を描くときに、真ん中の山が最も高いところが特徴です。3度目の上昇後下落が続き、前々回と前回の安値を下回ると売り時のサインだと言われています。
③M字天井

M字天井も上昇トレンドの終わりに出現することが多いチャートパターンで、高さがほぼ等しい2つの山を形成するところが特徴です。勢いよく株価が上昇しますが一時的に下落、そして再び高値を目指します。 しかし2度の高値を経験することで「これ以上は高値が狙えないのでは」と判断され株価が下落。前回の安値を下回ると売りサインだと言われています。 ここで解説したチャートの傾向は、あくまでもサインの一つです。必ずしも売り時というわけではないため、社会情勢や投資先企業の状況なども踏まえて判断するようにしてください。
4-3.投資期間を明確にする
売り時を明確にするには、短期保有または長期保有なのかあらかじめ決めておくことが大切です。「2.長期保有と短期保有では株を売るタイミングが異なる」でも解説しましたが、短期保有と長期保有では売りのタイミングが異なります。
短期保有 | 長期保有 |
---|---|
利益の確保を最優先として、株価が上昇し始めたら売却する | 大きな利益につながるよう1日1日の小さな変動を重視せず、上昇トレンドの終了を狙い売却する |
あらかじめどのようなスタイルで売買していくのか決めておかないと、売り時を逃すことになるのです。短期保有と長期保有には、下記のようなメリットとデメリットがあります。
短期保有 | 長期保有 | |
---|---|---|
メリット | ・すぐに利益につながる ・投資先企業の業績悪化や倒産のリスクが少ない ・1回の投資期間が短いので、上手に次々と売買を繰り返せば、長期投資以上の利益を得ることができる | ・配当や株主優待を活用できる ・成長企業に投資できれば大きな利益が見込める ・良い銘柄を1つ見つけると、そこから大きな利益を見込むため、銘柄選びにかける時間や労力の効率がよい |
デメリット | ・短期間で売買を繰り返すため手数料がかかる ・大きな利益が見込めない可能性がある ・配当や株主優待を活用できない可能性がある ・銘柄探しなどに掛かる時間や労力のわりに利益が少ない | ・すぐに利益につながらない ・投資先企業の倒産、業績悪化等のダメージが大きい |
向いている企業 | ・株価の変動が激しい企業 ・短期的に株価の上昇が見込める企業 | ・成長が見込める企業 ・長期的に安定した業績が期待できる企業 |
短期保有は、すぐに利益につながるところが大きなメリットです。一方で、短期間で売買を繰り返すため手数料がかかったり、1回の取引では大きな利益に結びつかなかったりする可能性があります。 長期保有は、配当や株主優待など長期保有だからこそ得られるメリットがあります。一方で、長期間株を保有することになるため、信頼できる企業を精査しないと倒産や業績悪化により損失を受けることがあるでしょう。 平日の日中に時間が豊富にある場合は、次々と売買を繰り返せるので、短期保有が向いています。一方で、平日は仕事をしていて頻繁に取引ができない、あるいは投資に使える時間が限られている場合などは、一度見つけた銘柄に長く投資する長期保有が向いています。 このように、短期保有と長期保有は特徴が異なり売り時も変わるので、投資先企業を決めるときに検討してみてください。
4-4.投資している企業の状況を把握する
株価は投資先企業の業績や経営状況に大きく左右されるため、このまま投資を継続していいのか判断するためにも常に把握するようにしましょう。 「1-2.投資先企業の業績悪化や不祥事が起こったとき」でも解説しましたが、売上高や利益、資産や負債などの経営状況は細かく確認しておきたいポイントです。
売上高・利益 | 昨年や競合他社と比べて伸びているか |
---|---|
負債 | 昨年と比べて増えていないか・負債の原因は明確になっているか |
業績 | 好調や不調の原因は明確になっているか |
今後の経営戦略 | 注力事業は何か・株価に影響を及ぼすような取り組みがあるか |
このような情報は株主総会や決算短信でチェックできます。決算短信とは3ヶ月に1回企業の業績や企業計画を公表している書類です。 「適時開示情報サービス」(外部サイトを表示します)を利用すれば上場企業の決算短信が把握できることがあるので、ぜひ参考にしてみてください。 多くの投資家は、企業があらかじめ示している売上や利益のガイダンス、もしくはアナリストの予想する売上や利益の数値などを参考に取引するため、株価はそうした数値を参考にして決まっていることが多いです。そのため、決算のときに実際の売上や利益が、企業のガイダンスやアナリスト予想と大きくずれると、株価が大きく動くきっかけとなりやすいです。 企業の業績等を把握して株価を予測することは、ファンダメンタルズ分析とも呼ばれています。株を購入したら終わりではなく、売り時を見極めるためにも投資先企業の情報には目を光らせておきましょう。
5.売り時は買い時よりも難しい!自分なりのルールを設けよう

売り時は買い時よりも難しいと言われています。その理由は、答えは1つではなく状況に応じて適切な判断をしなければならないからです。別の言い方をすると、売り時こそが投資家の腕の見せ所となります。 何となく売るタイミングを探していても「もっといいタイミングがあるかもしれない」「今の売り時とは限らない」と考え、なかなか売ることができません。 「4.株の売り時を見失わないためにチェックしたい4つのポイント」を参考に、自分なりのルールを決めて売り時を逃さないような戦略を立てましょう。
まとめ
いかがでしたか?株の売り時や売り時を逃さないためのポイントが把握できたかと思います。最後にこの記事の内容をまとめてみると
株の売り時を見極めるポイントは次の4つ
- 自分自身で設定した目標株価に達したとき
- 投資先企業の業績悪化や不祥事が起こったとき
- 損失が膨らむ可能性があり損切りをするとき
- 外国と取引をしている投資先企業の場合は為替変動があるとき
短期保有 | 長期保有 | |
---|---|---|
保有期間の目安 | 1日~半年程度 ※1 | 1年以上 ※1 |
売り時の目安 | ・株価が上昇し始めたら売却する ・利益の確保を最優先とすることも視野に入れる | ・上昇トレンドの終了を狙い売却する ・大きな利益につながるよう1日1日の小さな変動を重視しない |
※1:明確な基準はありません 短期保有と初心者の場合は「10%以内の評価益で売却」といった方法を実践してみるのも一つの手
株の売り時を見失わないためにチェックしたいポイントは次の4つ
- 自分なりの売り時のルールを設定する
- 株価下落のサインとなるチャートパターンを覚える
- 長期保有か短期保有か投資期間を明確にする
- 投資先企業の経営状況や今後の経営戦略などを把握する
株の売り時は買い時よりも難しいと言われています。この記事をもとに株の売り時を掴むことができ、株式投資に活かせるようになることを願っています。

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